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弁護士
久保井 摂   
Setsu Kuboi

飯塚市の出身で、嘉穂高校、九州大学を経て、1989年4月に弁護士登録、 当事務所にて執務を開始しました。事務所のプロフィル欄にあるとおり、当時 は創設者である池永満弁護士と、その後輩に当たる名和田茂生弁護士が在籍し ていたのですが、数年後名和田弁護士が独立、そしてついには所長である池永弁護士も独立して、気づいたら事務所で一番の古株となっていました。

司法修習生時代、当時東京の湯島にあった司法研修所での修習中、鈴木利廣弁護士の事務所を訪問、東京の医療問題弁護団の学習会に参加したことがきっかけで、医療事故事件に興味を持ち、福岡での実務修習で当事務所を訪問、医療事故訴訟に関する学習会を開きました。その縁あって、弁護士登録と同時に入所、以来、医療事故事件を主体に仕事をしてきました。

最初に関わった集団訴訟は筑豊じん肺訴訟です。池永弁護士から、筑豊出身だから加わるように、また集団訴訟は被害に始まり被害に終わるのだから損害を担当するように、と言われるままに弁護団員となりました。 じん肺は、大量の粉じんを浴びる職場で、長年効果的な防塵の処置のないまま 働いたことにより、肺の組織が繊維化して機能が低下し、慢性の呼吸不全が進行してやがて死に至る病気です。筑豊じん肺の被害者達は、かつて炭鉱で炭塵にまみれて働いた炭鉱夫たち。老いてなお立派な体格の人も多く、また、呼吸不全は主に夜間身体を横たえたときに症状がでる性質のものですから、昼間、 調子の良いときに裁判所や集会の会場で会う原告のみなさんは、一見お元気そうに見えました。

そんな、「みえにくい」損害を、被害者の声に耳を傾け、読み取り、裁判所に提示するために言語化するしごとが、私の仕事の原点となっています。 その後、薬害エイズ、ハンセン病問題、障害者問題、LGBT問題などに関わっていますが、 常に「被害を語る」とは何か、を考えながら、貴重な経験をいただいています。


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