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弁護士
小林 洋二   
Yoji Kobayashi

 元号の使用は好まないのですが、登録が平成元年でしたので、弁護士何年目かを考えるにはとても便利でした。ちょうど30年で令和に改元されましたので、令和5年で弁護士35年目となります。

 30年間、基本的には医療関係の仕事を中心にしてきました。弁護士1年目には国立阿久根療養所の移譲禁止の仮処分に関わりましたし、水俣病第3次訴訟では病像論を担当しました。薬害HIV事件、ハンセン病国賠訴訟といった医療のありかたを問う大型事件にも取り組みました。医療機関を解雇された看護師さんの労働事件の代理人をしたこともありますし、お医者さんの代理人として医療機器メーカー相手の裁判をしたこともあります。一番多いのはやはり医療過誤事件の患者側代理人で、HPVワクチン薬害訴訟を別にすれば、仕事の9割以上が医療過誤事件です。

 医療過誤事件にはいくつかの特徴がありますが、わたしたちの仕事としては、調査事件として受任することを原則としているという特殊性があります。つまり、最初から損害賠償請求事件として受任するのではなく、まず、責任追及の見込みがあるかどうかを調査した上で、その報告に基づいて、手続をその先に進めるかどうかをご相談するというやりかたです。

 医療と同じく、わたしたちの仕事にもインフォームド・コンセントが必要です。できるだけ正確な情報を依頼者の方に提供し、依頼者ご自身で方針を決定していただきたいと考えています。

 わたしは、これまでに約350件の医療過誤事件を受任してきました。判決、和解、示談など何らかの形で損害賠償を得て終了した事件の一方で、調査をしたけれども責任追及の見込みなしで終了した、請求はしてみたけれども裁判まではせずに諦めた、あるいは裁判までしたけれど勝てなかったという事件も相当数あります。期待して依頼された方にはたいへん申し訳ないのですが、そういう場合があることをご理解いただいた上でなければ引き受けられないのが医療過誤事件でもあります。

 でも、そうであればこそ、解決できたときの歓びもひとしおです。もちろん、涙を呑んで苦渋の選択という解決も少なくありません。しかし、いくつかの事件で、解決の歓びを依頼者とともにできた経験が、わたしたちの仕事の大きな支えになっています。

 弁護士ドットコムにも小林のページがありますので、のぞいていただけると幸いです。


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